ペロタン東京はこの度、フランス人アーティスト、ローラン・グラッソの個展「Orchid Island」を開催いたします。本展は弊廊9回目のグラッソの個展となります。 ローラン・グラッソは、映像、絵画、彫刻、建築、インスタレーションなど多岐にわたる手法で作品を発表しており、特に、未来から過去へ、過去から未来へと、文明史を自由に跳躍しながら俯瞰する視点で知られています。 日本ではこれまでに、2015年に銀座メゾンエルメス フォーラムにて個展「Soleil Noir」(黒い太陽)を開催、また2016年には森美術館の「宇宙と芸術展」に出展しました。グラッソはこれらの展覧会に際して日本文化についても研究し、西洋と日本の文化を折衷させた奇妙で興味深い作品を発表しました。 モノクロ映像 この、自然を上空から神の視点で眺め、四角い抽象的なフレームで切り取るかのように動いて行く雲/クラウドは、『2001年宇宙の旅』におけるモノリス的であると同時に、ジェレミ・ベンサムやミシェル・フーコーの全てを俯瞰する「パノプティコン」的視点を表象しているともいえるでしょう。映像にハイビスカスの花びらと対比的に登場するレーダーは、この自然が監視・管理されている場所であることを想起させます。また黒い雨は、自然に恵みをもたらすものであると同時に、核の雨もしくは環境汚染を引き起こすもののようにも解釈できます。(HP) 🔵クラウドは不思議な世界観を構成しています。 oil on wood